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過活動膀胱

過活動膀胱

「トイレがとても近い」、「急にトイレへ行きたくなり、そう思うと我慢できない」、「トイレに行くのが間に合わない」などの症状を経験したことはありませんか? それは、「過活動膀胱 かかつどうぼうこう」かもしれません。

このような症状があるのに、「医師に相談しにくい」、「年のせいだからしかたがない」と、治療を受けようとしない人が多いですが、過活動膀胱は治療が可能な病気ですので、恥ずかしがらずにご相談ください。

また最近では、副作用の少ない楽が開発され、尿失禁の症状がでる前に予防できるようになりました。

過活動膀胱とは

 

血液は腎臓でろ過されて、不要な老廃物と水分(尿)が膀胱に溜められます。普段は、膀胱の出口は尿道括約筋によって閉められています。尿がたまって、排尿が可能な状態になると、その情報が大脳に伝えられ、尿道括約筋がゆるみ、排尿筋の収縮によって排尿されます。しかし、尿が少ししかたまらない状態なのに間違った合図が大脳に送られるようになると、過活動膀胱と診断されます。

 

膀胱排尿筋は、膀胱を構成している筋肉です。尿がぎりぎりまでたまって膨張しても、膀胱排尿筋は非常にやわらかく、600ccぐらいまで尿を尿をためることが可能です。尿道括約筋は排尿時に膀胱の出口の開け閉めを行なう、蛇口のような働きをする筋肉で、外尿道括約筋(意識して動かせる筋肉)と内尿道括約筋(無意識に働く筋肉)に分けて考えられています。尿がたまってきた時、外尿道括約筋、内尿道括約筋は収縮し、尿をもらさずためるようにしています。ぎりぎりまでたまって強い尿意が出てきた時は、外尿道括約筋を自分の意思で収縮させ、意識的に尿をもらさないよう調整できるのです。

 

「尿意切迫感*」があり、しばしば「頻尿*」を伴い、ときに「切迫性尿失禁*」をきたします。聞き慣れない病名ですが、2001年から世界的に「過活動膀胱」と呼ぶようになりました。40歳以上の患者は800万人以上と推定され、高齢者に多く、70歳代で23%、80歳以上で37%にも上るといわれています。今まで、年のせいだからと尿もれ用パットなどを利用している方も、薬の利用や訓練で改善する場合が多いことが明らかになってきました。

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尿意切迫感

非常に強い尿意を感じること。急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢できない症状。

頻尿

トイレが近い。日中8回以上トイレに行き、夜間も1回以上おしっこのために起きるなどの症状。

切迫性尿失禁

急に尿意をもよおして、トイレに駆け込もうとしても我慢しきれずにもらしてしまうなどの症状。

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過活動膀胱チェックシート

 

トイレの回数など、どの程度で医療機関に行く判断をしたらよいか、迷うところです。日本排尿機能学会では右記の過活動膀胱チェックシートをつくり指針としています。「*」の項目を含んで3点以上だと過活動膀胱が疑われます。

 

5点以下:軽症

6~11点:中等症

12点以上:重症

 

排尿日誌

1日に何回トイレに行ったかという問いに、準備もなく正確に答えられる人は少ないです。日々の排尿時間や尿漏れの有無などのメモをとっておくと、役に立ちます。何時間に何度トイレに行ったかを排尿日誌をつけておくと、症状から正しい診断ができます。排尿状態を理解するだけでなく、医療機関受診時に症状を説明する際にも便利です。

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過活動膀胱の治療

チェックシートが高得点だからといってすべて過活動膀胱とはかぎりません。同じような症状の病気は、膀胱炎、尿道炎、膀胱がん、糖尿病、慢性腎不全、性感染症などがあります。病歴、症状、身体所見、血液検査、尿検査などにより診断します。

過活動膀胱と診断されると、治療は薬物療法が中心になります。薬物療法で主に使われるのは排尿筋の収縮を促すアセチルコリンの作用を抑制する抗コリン薬です。過剰になっていた膀胱の収縮が抑えられ、膀胱の容量も増大します。抗コリン薬は1~2か月を目安に服用します。その効果は7割以上と考えられています。ただ、口の乾き、便秘、排尿困難などの副作用を伴う場合がありますが、新しい薬は、従来のものより副作用が軽減されています。

また、排尿時の訓練を中心とした行動療法(水分摂取の管理、排尿のがまん、時間排尿、骨盤底筋訓練など)も行います。過活動膀胱は、受診率の低い病気の1つです。きちんと治療すれば改善できる病気で、早めの治療で症状の悪化を防ぐこともできます。 お悩みの方は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

過活動膀胱についてさらに

 

過活動膀胱の専門サイトもあります。合わせてご覧ください。

→過活動膀胱解決サイト(ファイザー製薬)

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